「こどものうちから英語教育は意味がない」
「幼児期は英語よりも日本語が先」
「英語教室に通ったけど全然話せるようにならなかった」
など早期英語教育に対してネガティブな意見を耳にします。
果たしてこれらは本当なのでしょうか?
これまで500人ほど見てきた、現役こども英語講師としての経験からお伝えします。
答え
意味ない子はたくさんいる

この子このまま続けても意味ないだろうな。お金のムダだな。
と思う子は正直たくさんいます。
英語教室もビジネスです。
ムダだとわかっててもそうは言いません。
ただ注意してほしいのは
しっかり力をつけている子もいる
ということ。
ネイティブ講師とやり取りができたり、小学1年生で英検に合格したり。
では、意味がある子とない子の違いはなんでしょう?
意味のない子に共通する3つの特徴をご紹介します。
週1レッスンで満足している
残酷な事実ですが
週1回のレッスンだけでは話せるようになりません。
なぜなら
英語の習得には2000時間必要とされているから。
(3000時間の説もあります。)
仮に2000時間として
週1回(1時間)×12か月=52時間
2000時間÷52時間=約40年!
おじさん、おばさんになってやっと話せる状態ということ。
しかもこれは
休まず集中して40年通い続けたらの話。
体調不良で休んだり、集中して参加していなければやっていないのと同じです。
ここで疑問に思いませんか?

週1レッスンだけでは上達しないとわかっているのに、英語教室はなぜ週1をオススメするの?
理由はカンタン!
週1は1番集客が見込めるから。
英語教室もビジネスです。
まずは始めてもらい、お客さんになってもらうことが最優先なのです。

週1回英語教室に通わせてるから話せるようになるはず!
この考えは親の安心材料なだけで、お金と時間のムダになる可能性が高いです。
ちょっと待った!

しっかり力をつけている子もいると言っていたじゃないか!
そのとおりです!
週1レッスンでも上達している子はいます。
意味がない子との違いは
自宅学習が習慣化しているかどうか

毎日朝15分、DVDを観て音読しています!

毎日学校から帰ってきたら、自分から単語カードを取り出して練習しています!
こんな子はどんどん上達します。
「レッスンに行けば先生が上達させてくれる」と考えるか、「レッスンは日ごろの自宅学習の実践の場」と考えるかは大きな差を生みます。
なんとなくで長年続けている

これまで何年も続けてきた。こどもが意欲的に通っているかというとギモンはあるけど、とくに辞める理由はない。
こんな人はキケンです。
なぜなら、こどもの意欲がなくただ通い続けても、英語は上達しないから。
意欲×正しい学習法×継続=上達
意欲が0なら、いくら正しい学習法と継続があっても答えは0です。
ではなぜこの「なんとなく継続」が起こるのでしょう?
これには「ホメオスタシス」が関係しています。
「恒常性」とも呼ばれる。今のライフスタイルや環境をなるべく維持しようとする心理のこと。
人は何年も続けてきたことを「快適」とみなし、たとえそれがよくないことでも続けようとします。
悪習慣を絶つのが難しいのは、このホメオスタシスが関係しているから。
なんとなく通う子の脳内では、同じ英語教室に通っていることが「快適」で、辞めることが「不快」だと無意識に判断しているのです。
こういう子は教室に着いたら満足で、積極的に学ぶ姿勢はありません。
では長年続けて上達している子はどう違うのでしょうか?
なんらかの目標がある

次は英検〇級とる!

あの子よりも話せるようになる!
たとえ小さくても目標がある子には「なんとなく継続」は起きません。

なんとなく継続かはどう判断するの?
オススメの方法は
定期的にテストを受けること
英語力が客観視できればどんなテストでも構いません。
- 3回同じテストを受けてもスコアに上達が見られない
- 結果を見ても少しも向上心が起きない
こんな特徴が見えたら思い切って辞めましょう。
もしなんとなく継続しているのに辞めることに抵抗があるなら、それは「ホメオスタシス」が働いているから。
あなたは「ホメオスタシス」に支配され続け時間とお金をムダにし続けますか?
それとも思い切って辞めて、広い視野で習いごとを考え直しますか?
私は確実に後者をおススメします。
保護者の苦手意識が強い
保護者の苦手意識がこどもの通学を無意味にするケースは多いです。
なぜなら
英語の上達をこどもに任せにしてしまうから。
こんな発言が特徴です。

私は英語が苦手だから、こどもには話せるようになってほしい。

おうちでも復習しなさいって言ってるんだけど。
これらを聞かされたこどもの立場になってみましょう。
「親ができないことはできなくて当たり前」
「なんで親にもできないことをやらせようとするの?」
こんな風にネガティブ感情を持つのは自然ではないでしょうか。
では、上達している子の保護者はなにが違うのでしょう?
一緒に取り組む姿勢を持っている。
上達する子の保護者にはこんな発言が多いのが特徴です。

ノートの書き取りはまだ難しそうなので見本を書いています。
DVDは一緒に音読しています。この際私も英語できるようになれたらなって。

家では私が生徒役、娘が先生役にななってカードを教えてくれます。
私が英語苦手なので、すでに娘に越されそうです!
特に小学校低学年くらいまでは、
「こどもにやらせる」ではなく
「一緒にやってみる」姿勢を持てるかが重要です。
早いうちに「英語は楽しい」と意識が定着した子は、その後1人でも学習を続け、どんどん上達していきます。
もし「一緒にやる時間がない」「英語なんてやりたくない」と思うのなら、こどもに押し付けるのだけはやめましょう。
その後こどもが思うように上達しなくても「自分もそうだったから仕方がない」と早めに辞めることをオススメします。
まとめ
「英語教室に通っても意味がない子はたくさんいる」というのが講師のホンネです。
その特徴は以下のとおりでした。
- 週1レッスンで満足している
- なんとなくで長年続けている
- 保護者の苦手意識が強い
逆にいうと、これらの反対を実践すれば意味のある通学になるということです。
「週1回のレッスンは実践の場と考え、日ごろの自宅学習はこどもと一緒に習慣化する。定期的にテストを受け英語力を客観視し、少しでも上達したらほめる。そしてこどもが向上心を見せてくれたら応援する。」
それでもダメなら思い切って辞めましょう。
英語ができることがすべてではありません。
その子が興味を持てることを探し、トコトンやらせてあげるのが保護者のできることではないでしょうか。
たとえそれがあなたの希望するものではなくても。
ただ、大切な時間とお金を意味のない通学に費やし続けることだけは避けていただきたいです。
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